背景

コーポレートやエンターテイメントイベントプロデュースのスペシャリストであるAV Conceptsは、クライアントに素晴らしいイベントを届けるため、絶えず最先端の技術と創造性を求めています。常に枠を超えて新しい技術を活用してきたAV Conceptsにとって、ネットワーク上においてオーディオ、ビデオ、そして照明を集中管理できるテクノロジーは、観衆を魅了する体験を提供し、さらなるレベルのビジネスを目指す上で重要な役割を担っています。 

クリエイティブかつ最先端の技術を誇るステージサービスをビジネスの柱とするAV Conceptsにとって、最高水準のオーディオソリューションの提供は重要な要素の1つであり、中でも高品質でより多くのチャンネルの伝送が求められたことにより、AV Conceptsは今日の市場における、様々なメディアネットワークを模索し始めます。 AV Conceptsは、イベントに応じて拡張・縮小が可能な自由度を持ちながらもインフラストラクチャを簡素化してくれるようなソリューションを求めていました。

課題

AV Conceptsはイベント当たり、約180のルーティングチャンネルを管理します。 AV ConceptsのシステムエンジニアであるJason Thiele氏にとって、アナログ環境における悩みの種は、ほとんどが構成とトラブルシューティングでした。これらの問題は現場において、貴重な時間を簡単に消費してしまいます。 

Thiele氏と彼のクルーは、様々なネットワークソリューションを検討しましたが、最適なソリューションを見つけるには至りませんでした。

「ほとんどのシステムは、各終端にボックスを設置するなどで対応するものばかりでした。私たちはより柔軟なシステムを求めていたのです」と、Thiele氏は述べます。 「スイッチを入れるだけでネットワーク上に必要な数のチャンネルを送信でき、PAシステムにいたるまでオーディオチェーン全体をカバーする簡単なソリューションを求めていたのです」

ソリューション

AV Conceptsは以前よりYamahaによる機材を数多く運用していたため、Yamaha CLコンソールシリーズが発売されると、チームはいち早くDanteの存在を知ることになります。 

AV Concepts Line Array using Dante for decreased setup

「AudinateのLandon Gentry氏と初期段階の打ち合わせを行い、Danteの導入に向けて素早く全体のインフラストラクチャを再設計しました」 「優れたファイバーメーカーと共に、リダンダント構成のハイグレードなCat6ケーブルを使用し、カスタムマルチラインを構築しました。  ファイバー接続とCiscoのレイヤ3マネージドスイッチにより、必要なときに必要な場所へ簡単にルーティングできるようになりました。そして、イベントに応じて素早く変更が可能で、ネットワークをどのようなサイズにも変更できるのです」

Thiele氏によると、Danteへの移行において柔軟性は大きなメリットであると述べており、設置に必要な時間が大幅に短縮され、 初期セットアップにおいても、Thiele氏の見積もるところによると30~45分で完了し、6~8時間はかかる従来のオーディオシステムのセットアップと比較してもその違いは明らかです。

「新しいDante Controllerにより、ネットワークテンプレートをフロント・オブ・ハウスのスタッフに送信できるため、彼らは構成を活用できます」 「Danteチャンネルは自動でネットワーク上のデバイスに割り当てられ、 また、USBスティックをコンソールに接続すると、すぐにデバイスを検出し、固有のDanteチャンネルを割り当てるのです。 すべてを接続した後電源をオンにするだけで、信号はルーティングを開始します。 フロント・オブ・ハウスからのパッチリストは必要ありません。 私たちの誰もが気に入っており、Danteにより新しいビジネスの機会も生まれています。 エンジニアは革新的な新技術と作業することを望み、Danteがスタンダード・ネットワークソリューションとして最適な選択であることは私たちのリサーチと経験が証明しています」。

AV Conceptsによるイベントでの事例では、複数のShure ULXD4Qワイヤレスマイク、5台のExtron DMP128デジタルマトリックスシステム、2台のYamaha Rio I/Oステージボックス、そして2枚のYamaha MY16-AUDカードが追加されたYamaha CL5コンソールが使用されました。 このインフラストラクチャには45のDante Virtual Soundcardも含まれ、コンピュータからのオーディオネットワーキングを可能にすることで、オーディオ信号をネットワークに送信できる柔軟性を実現しました。 

「ワークフロー全体において唯一のアナログコンポーネントは、メインプロセッシングシステムからスピーカーへの出力です」 「この問題についても取り組んでいて、Danteにより直接ドライバーまで伝送することを目指しています」

Danteの柔軟性により、AV Conceptsはイベントの準備、またイベント中においても多くの機能とメリットを活用でき、例としてイベントのニーズに合わせてDanteネットワークでマイクやステージボックスを簡単に追加・解除できます。 ケーブル問題やレイテンシーの問題に頭を悩ませていた日々はもはや過去のことです。

「私たちは最高の水準を達成し、Danteによりクリーンな環境を実現しています」 「すべての信号をバックステージまたはフロント・オブ・ハウスからリモートでルーティングすることができ、かさばるアナログサブスネークに悩まされることはありません。 また私たちのすべてのDanteデバイスにおいて、ノイズフロアやシグナルレイテンシーは基本的に存在しないことになります」 

「コンソールといくつかのRioラックを導入している企業もありますが、Danteネットワークにはそれよりもさらに多くの可能性があると思います。 実際に、当社のセットアップと環境を見るためにいくつかの競合他社が訪れましたが、洗練されたシステムとその特徴に驚いていました。成果はクライアントの満足度にはっきりと表れます」

特長

  • イベントの希望に応じて拡張・縮小可能なシンプルなインフラストラクチャ
  • 素早いセットアップと簡単な構成、柔軟性の高いルーティング環境
  • 非常に低いレイテンシー、かつクリアな高品質のオーディオ