Veteran Film Scoring Mixer Dennis Sands Integrates Dolby Atmos System with Dante
Veteran Film Scoring Mixer Dennis Sands Integrates Dolby Atmos System with Dante
Sounds Waves SB,
Santa Barnara,
CA
United States
背景
数々の賞を受賞してきたサウンドエンジニアDennis Sands氏は1979年以来、240本以上の映画において音響を手がけており、アカデミー賞の音響部門でも4度ノミネートされています。氏は常に最先端の技術を求め続けており、今回、サンタバーバラ (カリフォルニア州) のセントラルコーストに位置するSoundwaves SBにおいて、ワイドレンジなシネマサウンドシステムのアップグレードが行われました。
世界で初めてDolby Atmosに対応したシネマサウンドミックスルームへのアップグレードを行い、シネマに壮大かつ極めて詳細な表現力、そして高い臨場感を実現するマルチチャンネルのサラウンドオーディオをもたらします。Atmosによるインテグレーションは、このフォーマットをサポートする新しいマルチチャンネルスピーカー構成をはじめ、オーディオ・ディストリビューション、プロセッシング、モニタリングなど、既存の複数のコンポーネントも組み合わせて行われました。
課題
新しい技術と既存の技術の組み合わせは先を見据えた計画が必要とされました。特に、Sands氏の所有するBSS London BLU-806プロセッサと、新しいDolby Atmos Rendering and Mastering Unit (RMU) との間の伝送です。Dolby Atmos RMUは、フォーマットのプロセッシングコアとしてAtmosの構築に必要なコンポーネントです。しかし、Dolby Atmos RMUはMADI光学コネクタを使用し、BSSユニットはDanteによる入力です。
「MADIをDanteに変換する方法以外にこのフォーマットで作業する方法はありませんでした」と、Sands氏は述べています。「ProToolsセッションの出力メタデータには、Atmosレンダリングボックスに接続されたDolbyパンナーが含まれ、ミックスで作成したあらゆるデータを解析し、MADI信号を出力します。MADI信号はモニタリングシステムに送信される必要があり、これは私の場合は多くのシネマサウンド制作で使用されているシステム、つまりBSSです。しかし、BSSはMADI信号に対応していません。Danteに対応しています。そこで、Dante環境に対応できる、信頼性の高い安定した変換ツールが必要でした。コンバーターがなくてはシステムは稼動しないのです」
そこでDanteメディアネットワークを活用した、イーサネット・ネットワークによるオーディオインターフェイス「RedNetシリーズ」をはじめ、ハイクオリティな製品を提供するオーディオメーカー、Focusriteを導入しました。
ソリューション
Sands氏はVisioneering Design社とともにこのプロジェクトを進め、世界で初めてRedNet6を導入、これにより安定した、信頼性の高いMADI-Dante変換を実現、さらにRedNet6により、Dolby AtmosワークフローにおいてSands氏がこれまでテストを重ねてきたBSSモニタリングソリューションを引き続き使用できることで、優れたコストパフォーマンスをも実現しました。
「BLU 806はRedNet6オーディオインターフェイス経由でDante信号を受信し、信号を次の送信先へ出力する前にデジタル処理されます。これはスピーカーへのアナログ出力であれ、EQやその他の処理のためのデジタル出力であろうと同じように処理されます」と、Visioneering Designプレジデント、Ron Lagerlof氏は述べています。「そしてこれを2本のケーブルで実現できるのです。さらにこの優れたインターフェイスにより、Dennis(Sands氏)が新しいオーディオフォーマットでの作業において、既存のプロセッシング・モニタリング機器を引き続き活用できるのです。RedNet6なくしては、さらに多くのボックスやケーブルを追加することになったでしょう、その場合はさらに多くのコストがかかったことが予想されます」
また、Danteの信頼性の高い高精度のクロックは、初期の変換段階から、すべてのアップストリームの自動同期を可能にします。Lagerlof氏によると、BLU-806でのクロックシステムの構成は可能でしたが、Sands氏はRedNet6出力からDanteクロックを使用することにしました。これによりBSS-806からスピーカーに至るまで、ネットワーク上のすべてを完璧に同期できるのです。
Sands氏はこの結果に大変満足しており、ハイブリッドなトランスポート方法を採用しながらも信号フロー全体は非常にロジカルであると述べ、
「私は設計エンジニアではありませんが、スタジオ環境における40年の経験に基づいて技術の信頼性について語ることはできます」と、Sands氏は述べています。「DanteはDolby Atmosインテグレーションにおいてシステムの主要コンポーネントとなり、入念に設計された技術であることは実際の動作における信頼性により明らかです」今回のアップグレードは非常に複雑なセットアップになりうるものでしたが、Danteによりシンプルなネットワーク構造を実現できたのです。私はただ、スタジオへ来て、スイッチを入れるだけ。それですべて機能します。当たり前のことに聞こえるかも知れませんが、これは私の仕事ではとても大事なことなのです」
Lagerlof氏は、Danteはシネマサウンド制作およびミキシング施設にとって不可欠なトランスポート方法であると述べています。
「私は市場にある多くのDante製品に慣れ親しんでおり、主にBSSプロセッシング・モニタリング環境においてDanteを使用しています」と、Lagerlof氏は述べています。「Dante対応デバイスが増えるほど、長い距離におよぶアナログ・デジタルのシングルペアワイヤを配管やケーブルトレイに通す必要がなくなります。この場合、直接RMUからモニタリングシステムへ接続することになり、おそらく将来的にスピーカーメーカーはDanteを直接受信できるよう設計するでしょう。このように、大きな可能性を秘めています。」
特長
- BSSモニタリング環境に対応した、信頼性の高い安定したネットワークソリューション
- Danteクロックは、MADI-Dante変換段階からアップストリームの信号フローまでを完璧に同期
- コストパフォーマンスの優れたソリューションにより、追加の機器コストや複雑な作業を軽減しつつ、既存の機器の使用を可能に
コンサルタント/設置業者:
Dennis Sands氏のウェブサイトはこちら: www.soundwavessb.com