ロサンゼルスおよびラスベガスを拠点とする3G Productionsは、メキシコ・モレリア、そしてフアレスにおいての教皇フランシスコによる講話を高音質で届けるプロジェクトを請け負いました。そこでは、コンソールからいくつものゾーンを経てアンプに至る、並外れた長距離でのオーディオ伝送を可能にする広大なファイバーネットワークを、短時間で設置する必要がありました。  

教皇のメキシコでの最終講話会場は、モレリアではホセ・モレーロス・パボン・スタジアムおよびエスタディオ・ベヌスティアーノ・カランサ(サッカースタジアム)、そしてフアレスではプブリコ・フェデラル・エル・チャミサル公園と隣接するサッカー場が選ばれました。 

このプロジェクトでファイバーネットワークを設置するにあたり3G Productionsが採用した方法は、基本的には次のようなものでした。PA、サブ、ディレイタワー、スタジアム、左右のステージ、そして報道エリアのAES信号を、FOHのSSL L500 PlusコンソールからLab Gruppen LM44 Lakeプロセッサへ伝送、そしてすべての信号をDante Audio over IPファイバーネットワークを経由してFocusrite RedNet D16へ伝送し、信号をAESに再変換、すべてのセットアップで使用されているd&b D80アンプへ伝送します。

Jon氏によると結果は大成功で、教皇からお褒めの言葉を頂いたといいます。「教皇のシークレットサービスからフロント・オブ・ハウスに届けられたメモによると、音響が驚くほどとてもよいものだった、と喜んでおられたそうです。スケジュールの都合でモレリアとフアレスでの講話は何度も延期されました。それが音質に影響しないかとご心配だったそうです。側近によると、教皇はメキシコシティなど他の都市よりも音質が劣るものと予想されていたため、非常に感心されたそうです」